批評とは何かという文章には2種類あります。
ひとつは、「どんなものが批評と呼ばれているか」という事実について論じている文章で、「ナントカ批評」「カントカ批評」などと色々な批評の種類を並べて紹介することが多いようです。
もうひとつは、「批評とはどんなものであるべきか」という価値について論じた文章です。「批評とXXは何が違うか」とか、「世間ではこれこれのものが批評と呼ばれているが、それは批評とは呼べない」というようなことが語られます。
私としては今のところ「批評多元主義」とでも言いましょうか、色んな批評があっていいし、批評というものをできるだけ幅広く認めてあげていいんじゃないかと思っています。
更に言うと、批評の良し悪しという価値判断をするにしても、どんなものが良い批評なのかという価値基準は複数あるんじゃないかと。